【書評】もう悩まない中学受験

 なぜ中学受験の問題はこんなに難しいんだろう。親として全くお手上げなのが情けなくなるくらい。その疑問にこの本では

「最難関中では、毎年誰も見たことがない新しいタイプの難しい問題が出題されます。そして翌年以降、その問題を見た他の難関校が形や条件を少し変えて出題するようになり、その問題パターンはだんだん偏差値の下の学校へと連鎖していきます。そして10年後には偏差値50台の学校でも出題されるようになるのです。」

と説明されていた。う〜ん、納得。でも真面目に学校に通って真面目に宿題に取り組んで居るのに、中学受験では歯が立たないなんて教育体制に問題があるとも思う。私立と公立の学力の差が二極化していたら全く底上げにならないじゃないか。つい息子に「将来文部科学省に入って塾に通わなくても私立に合格できる世の中にしてよ。」とぼやいてしまった。

 次女が受験する頃にはさらに問題のレベルは上がっているのだろうか。恐怖。もう社会くらいしか手も足もでないのに母の威厳も何もあったもんじゃない。最近は「頑張ってるね〜」と感心するくらいしかできないのだ。でもこの本では母の役割は子どもにあたたかい関心を向けるだけでいい。と言ってくれているからまだ救われるが。

 関心を向けるということは「なぜ?」と理由を問い詰めるのではなくできなかった時に「何かあった?大丈夫」と気にかけるだけでということ。これがなかなかできないものだ。あとは子どもの行動を日を跨いでも何度も褒め続けること。これもなかなか難しい。自然にできるようになるまで繰り返し頑張ろう。本当に仕事をやめてよかったと思う。こんなの自分の気持ちに余裕がないととても無理だ。復職する前に体力強化と精神状態を安定させるトレーニングは必須だな。

 他にも簡単に取り入れられそうなことはたくさん書いてあって内容は全体的にわかりやすくていい本だった。まずは計画のたて方。

「良い成果を生むには休憩や息抜きも必要ですし、お子さんにとってリズムに乗りやすい勉強の順番もあります。ですから計画を立てる時には、親子で一緒に話し合って、お子さんにとって実行可能で頑張る気持ちがわく計画になるよう心掛けてください。」

 勉強習慣について。

「歯磨きや洗面のように、勉強を『毎日、あたり前にできるもの』にしてしまうこと。つまり毎日の勉強を習慣化することです。良い習慣をつけるには、お子さん自身が『そうしたい』と思うことが大切です。誰かの押しつけではなく、お子さん自身が望むことで、お子さんの続ける力にスイッチが入ります。」

 その方法として①習慣にしたい行動を自分で紙に書いて見えるところに貼っておく ②習慣化できるまで声をかけて促しできた時に褒める

 学習サイクルの

目的→準備→授業→復習→演習→確認→テスト→直し→目的

「お子さんがこのサイクルを一周できれば、次の一週間はもっと上手に勉強できます。週を追うごとに、お子さんは主体的に勉強に取り組めるようになっていきます。ここまで学ぶ技術が高まると、必ず成績は上がりますし、身についた学力は簡単には崩れません。ご家庭でも意識して取り組んでみてください。」

「新しい弱点を生まないことが最大の弱点対策だということも意識しておきましょう。授業と宿題に取り組んでいるだけでは、弱点の解消には結びつきません。苦手な単元がもう一度授業に出てくる前に、時間を作り出して弱点の解消に取り組みましょう。」

 苦手科目のサポート

算数:解き方を覚えることよりも理解すること。「こういう理由だから、こういう解き方を使う」という因果関係で子どもが解き方を導き出せるように、どの単元でも同じ問いかけを繰り返す。

国語:早口音読の練習

理科:現実と向きあう科目。目に見えないものは擬人化してわかりやすくする。

社会:答えをノートにうつし、マーカーを使って覚える学習法を親子で机を並べて一緒にやる。

 実の親だと家庭教師のようにはいかないが、息子の苦手単元もかなり偏ってきている傾向にある。教えてあげることはできないが、分析と対策をたてるところだけは一緒にやっていこうと思った。

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