【書評】ぼくらの七日間戦争

 息子に絶対読んで欲しいと一押しされたので、子どもの夏休みの宿題を真似て読書感想文を書くことにした。

 このシリーズは息子が大好きでもう25冊読んでいる。登場人物が同じであるが、話は1冊ごとに完結しているとのこと。七日間戦争はまず最初の一冊なので主な登場人物である中学1年生の1クラスの男子メンバーがそれぞれ個性豊かに描かれている。キャラクター設定がしっかりされているが、肝心の主役がリーダー性は低くいたって普通の中学生なのが面白い。周りの友人の能力が集結して1クラスの男子全員が団結して大きなことを成し遂げる様が読んでる子どもを惹きつける点なのだろう。

 ストーリ全体を通してかなり大人を揶揄している内容ではあるが、過去の学生運動の全共闘などの延長で「解放区」での話がすすんでいるので、ノンフィクションにも近いのだろうか。

 普通の中学生が親や大人のやることに反感を持って団結し、行動をおこす展開はいわゆる不良漫画などと違い、共感しやすい部分も多い。子どもVS大人で描かれているが子ども側に浮浪者の老人が強いサポートとして入っている部分も話が面白くなる要素だった。

 自分はもう親であるため、どうしても大人側の目線で見てしまうが、子どもの不満を直接の反抗として受けた時には親の発言には何の効力も得ないだろうなと思った。日頃の不満は膨れ上がる前に1つ1つ話し合って解決していった方がいいな。というのがこの本を読んでの教訓である。

 この本のような弾圧的な教育現場は今や消滅しているであろうが、現代の子どもにも不満や悩みは山ほどあるだろう。そんな自分と同じような立場の子が思い切った行動を起こす「ぼくらシリーズ」の本は小学生男子にはとても読んでいてワクワクするのだろうなと思った。きっと様々な性格の子が登場するから感情輸入しやすい子も必ずいるんだろう。

 女子受けがいいのかどうかを娘にも読ませて意見をもらいたいところだが、読書を敬遠しがちな長女がこのボリュームの本を読んでくれる日はいつ訪れることやら。気長に進めてみるかな。

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