バイトの闇の払拭

 10年以上ぶりに中学校見学のため地元に足を運んだが、予想以上に変わってなくて駅前のステモやソニプラもそのままんまだった。懐かしいついでに日頃は昼食にお金をかけないようにしているが、今日だけ昔のバイト先のランチを食べに行こうと思った。

 が、まさかとは思っていたがそこには懐かしのチーフがまだ存在していたのだ。キッチンチーフとしてそのままやってくれていたら遠目に眺めながら食べたが、なんとフロアの責任者風で立っている。これはもう無理だ。1バイトの顔なんて覚えているわけもなかろうが、食事を運ばれて話しかけられたりなんてしたもんならこっちのテンションが下がる。仕方がなく懐かしの味は諦めた。

 バイトというのはいくつもやってきたが、このレストランのキッチンが最も過酷だったということはずっと刻まれている。そもそもキッチンというのは戦場だ。得たものといえば料理をものすごい速さで作る技と根性だけ。それ以外に失ったのもも方が多い。

 とにかくこのチーフも自分のストレスをパワハラに置き換えて周囲に嫌味ばかり言っていた。私はバイトだし関わりも深くなかったが、横にいた社員の人は心を痛めている様子は社会をしらない私にもよく伝わっていた。だがあの頃はパワハラなんて知らないので、上の人が言うことは絶対で耐えるものだと教わっている。特にバイトの上下関係なんて理不尽極まりない。ちょっと先に仕事についた差だけで大きな顔をされて、今だからわかるが社会人として失敗している大人達にアレヤコレヤ指導されていたのだ。

 自分はそんなレストランで働く人達を超えたなと思った。せっかく高校時代の青春がよみがえり若返った気分だったのに一気に20年の歳月を感じてしまったよ全く。

 その威張り散らしていたチーフは足を引きずっていた。年齢的も引退に近づいて忙しいキッチンで働けなくなったんだろう。まぁ料理には絶対口出ししているに違いないが。よくこんなところで何十年も働いているな〜と可哀想になってしまった。絶対的存在を下に見れるようになった私。大きくなったな。でも狭い世界の人間を見てもっともっと羽ばたいて行きたい欲が出た。

 その欲を持ったままハローワークで勧められた研修に出たのだが、最高に話がつまらなくて意欲を削がれたのが大変に残念だ。人の話を聞きながら寝てしまったのは何年ぶりでしょうか…単純に仕事をやめてしまって体力が落ちたせいなのか。とにかくいい仕事を回してもらえる可能性は低そうだなと感じてしまった。自分で楽しめる仕事は自力で探し出すしかない。

 子ども達を温室で育てるつもりもないが、飲食業の闇を経験させる必要はないと思っている。飲食業は今回のコロナ禍でも大打撃を受けていることを考えると世に必要な仕事であるが、不安定極まりない。また、正直バイトの私でもある程度のスキルは身についたし高級レストランのメニューも一時期シェフ代理で作っていた。そんなのは一生懸命勉強してやる仕事ではない。

 子どもの将来が不安だが楽しみである。シバカシの学校説明会で将来機械化も進み今の受験生が就く仕事の65%は現在存在しない職業になるだろうと話していた。ハローワークの公務員の話より学校説明会の先生方の話の方が何十倍も面白い。私立だからか。私が行った高校の先生なんて魅力的な大人は5%くらいしかいなかったしな。最近は安定している公務員というのが人気であるが、未来は違うんだろうなと思う。だって公務員で働いている人達全然楽しそうじゃないんだもん。

 子ども達はまだ働きたくもないと思っているだろうが、母としては消費されるだけでなく仕事を楽しめている姿をまだまだ見せたいと思っている。簡単な仕事はいくらでも転がっているが、新しい仕事選びは慎重にしていきたい。そのために必要なスキルと知識をつけないと。母は学生時代の仕事の闇から抜け出しました。どうか子ども達にもキラキラした仕事が待っていますように!

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